「第15回 NPO法人イルファーを知ってもらう会&チャリティーコンサート」が開催されます。

みなさま

日頃よりNPO法人イルファーにご支援を頂き、まことにありがとうございます。
12月1日(日)、第15回「NPO法人イルファーを知ってもらう会&チャリティーコン
サート」を開催致します。
12月1日のエイズデーに合わせて、帰日中の稲田理事長がエイズの現状を語りま
す。コンサートではヴァイオリンの演奏をお楽しみいただきます。
皆さまお誘い合わせのうえ、どうぞお越しください。お待ちしております。
               NPO法人イルファー副理事長 片柳佐智子

日時:2019年12月1日(日) 13:00~16:00
会場:ベリエスタジオ (京王線桜上水駅北口下車 徒歩12分、
               井の頭線西永福駅南口下車 徒歩15分)
          杉並区下高井戸4-19-2 

お問い合わせ先: 090-9682-5794、片柳
 
プログラム: 
○ 第一部 ・・・活動報告「エイズ、世界の現状、ケニアの現状」・・・稲田理事長
 
○ 第二部  チャリティーコンサート
ヴァイオリン演奏・・・篠山朝子さん
            曲目 バッハ「無伴奏パルティータ第2番よりサラバンド」
               クライスラー「愛の喜び、プレリュードとアレグロ」他
○ その他
 ・ ケニア産品展示販売&バザー    
マサイ族のブランケット、アクセサリー、ポーチ、ケニア紅茶、その他。
 ・ ケニア紅茶の試飲
 ・ 質疑応答
 
参加費: 無料(出入り随時)

主催: NPO法人イルファー

会場案内図

               

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第28回無料診療キャンプ報告(By宮城島) 2019年9月24日

 (イルファー釧路のブログからの転載です。)

エピローグ(総括;花火に彩られたキャンプだった)

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最初から、花火をキーワードにして、キャンプ報告を始めた訳ではないが、釧路大漁どんぱく祭りでの花火大会の日に飛び立ったのが縁であったのは間違いない。花火大会に合わせて行った釧路でのHIV検査会は、陽性者の拾い上げというより(もともと0.1%に満たないHIVの陽性率の低いところで検査したところで偽陽性は出るが、本質的陽性はレアだ)HIV検査がハードルの低いもので気楽に受けられるのだという啓発運動と、陰性者であることを確認することで、これからの人生の中で陰性であることを守る意識が芽生えることを期待してのカウンセリングが主体だった。ケニアではどうだろう。そんな悠長な検査会はやってられない。プムワニでも今だにHIV陽性率は5%を超えているのだから、陽性者を拾い上げることが急務だし主目的となる。全然目的の違う検査会を我々は釧路とケニアでやることになった訳だ。
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ケニア通関での出来事が、今回の大きな花火の一つであったと言っていい。薬剤の搬入はここ20年続けて来た訳であるが、過去に一度、全品没収され100ドルの袖の下で解放された経験があったが、あれはケニア的役人の個人的資質の問題として諦めた。しかし今回は、どのような使い方であれ、海外からドネーションとして持ち込んだ品物にも、TAXが掛かるという2013年発行の行政文書を盾に紳士的態度で一歩も譲らない。結局50ドルを税金として返納したが、これはどうしても看過できない事柄である。
そしてアリの病欠。キャンプの要の1人が抜けたことは、大きな花火と表現したとはいえ、私たちの心に重く沈んだ音を残した。形質細胞腫という悪性腫瘍で、大腿骨骨折を合併しており、早急な固定と放射線療法が必須であり、それが治癒に繋がる唯一の方法であるのだが、キャンプ期間中ただ病院のベッドで寝ているだけで、排尿は介護人による運搬で、体位交換すらされていない現実に辟易したばかりか、多発性骨髄腫との鑑別などのための血液検査など何一つやっていない(唯一やったのは骨生検とそれにより引き起こされた骨折!)。それで二週間の入院費用請求が17万!イルファーのサポート、そしてこれから立ち上げる予定のアリ基金でなんとかサポートをして行きたいが、日本との格段の差のあるケニアの医療事情をまともに見せつけられた気がした。それにしても、アリを見舞うたびに思うのは、どうしてそう達観していられるのだろうかということだ。インシャーラ、神の思うままにと本当に思っているようで、無神教者としては口惜しい。でもそれが医療状況が未熟の世界に生きる人たちの心の安定を図る知恵なのかもしれない。
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ムマジュマの妊娠はおめでたい花火だった。もう9ヶ月なのに、勢力的に超音波診断士になるために必死で勉強している。プムワニのキャンプの参加がなく小児科は大変だっただろうが、ヘキマの孤児院のメディカルチェックにも参加してくれた。予定日は10月10日だという。きっと元気な赤ちゃんが生まれることだろう。その時は大きな花火を打ち上げようじゃないか。
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プムワニでの診療を冷静に分析してみる。
まずHIVの拾い上げ。VCT(voluntary counsering and testing)自発的HIV検査の推奨については、最近の傾向として、殆どの患者がすでにHIV検査を受けている。しかも年に何回もだ。ルーチンに3ヶ月ごとに検査しているツワモノもいた。検査の理由はどうであれ、この地域ではこれだけVCTが普及しているということに他ならない。ただこの検査結果に安心して、いつの間にか感染してしまっているという事例は実際あるし、今回もそんなケースに出会った。今回のキャンプでは153人のHIV検査をして、陽性者は4名だった。このキャンプでのVCTの意義はかなり低下してきているとはいえ、検査すれば着実に引っかかるのも事実だ。
次に最近の大人の患者の症状を考察する。咳と痛み、腹痛、皮膚トラブルは主要症状には変わりないが、変形性膝関節症、高血圧、糖尿病、白内障など日本のどこでも見られるような慢性疾患が来るたびに増えてきているような気がする。そしてその症状も、クリニックが開設しているから行ってみるか的ななんとも必然性がなさそうなものが大半に見える。もちろん前出の髄膜炎のような急性疾患が運び込まれることもあるが、それはレアケースだ。かなり重症な化膿性疾患も五月雨式に現れるが、それも衛生状態がよろしくない環境ではありがちなことだから当然と受け止めている。だから一番求められる処方が、痛み止め、制酸剤、湿布、咳止め、種々の軟膏。20年前に初めて開設した時には、ここが命を守る砦のような気分だったのとは、かなり様相が変化して、日本の一般クリニックのような役割を担っているような錯覚に陥る。年に一回開催される当クリニックが住民に歓迎されつつも、現地のニーズは変わって来ていると理解しなくてはいけない。
プムワニに根を張って20年。VCTと一般診療を黙々と続けてきて、地域の住民の信頼度はもちろん高い。そして何より、現地での稲田プロジェクトを側面から支える強力なサポート活動でもあるし、稲田プロジェクトの質の高さの担保でもある。医療従事者のプロが継続して関わり、前年の反省を元に、さらにシステム化が進んで行く診療スタイルは、見ていても素晴らしいチームワークとスキルだと自認している。しかし問題はこれを現地のニーズの変化に合わせてどう維持して行くかということだ。HIV陽性者に寄り添って行くことが、稲田先生のもっとも大切な活動の目的であり、モチベーションだとすれば、それとプムワニでのフリーメディカルキャンプがどうリンクするのかを改めて考え直す時期が来ていると思う。
数年前から始まったコトレンゴ(HIV陽性の孤児が暮らす孤児院)での、HIV治療サポートプログラムは現状打開の最高のモデルに成り得るのではないだろうか。陽性者がきっちりと治療され、成人となりいつかは医療者となって、自分たちと同じ境遇の子供達のサポートに回る。いや医療者にならなくてもいい、成長した彼らが次のサポーターとして孤児たちに関わることが事業の継続性を担保するはずだ。稲田先生を始めとするHIV治療の専門集団がそこにコミットすれば、もっとアウトカムが明確になってくる。そしてそれが、今年初めて訪問したヘキマの孤児院にも繋がって行く。もちろん松下照美さんが主宰するモヨチルドレンセンターMCCでもいつHIV陽性
者が出て来てもおかしくない状況があり、そことの連携も大切な横糸だ。このような子供達への医療支援、サポートが今後の稲田プロジェクトのコアにならないか、最近そう思っていた。
ついに最大の花火が上がった。稲田先生からの総括。日々のブログに書いた通りだが、上記のような20年の現地の変化を勘案し、また本来のHIV患者に寄り添う趣旨を再認識し彼の出した結論は、とりあえず20年続けて来たキャンプを一回延期して、次のプロジェクトを模索するということだった。私はそれに大賛成である。
小児を対象としたプロジェクトの再構成、あるは一年先に、再びプムワニで展開する場合のシステムの変更。あるいは、キャンプの対象地域をプムワニから別なところに大胆に移すことも念頭に、十分に考察を加えていかなくてはいけない。そしてそのための資金調達も喫緊の課題だと思う。出資者にも魅力あるプロジェクトを作り出して行くこと、それが私たちの今後の使命でもある。
アリのことも考えなくてはいけない。イルファーでどこまでサポートするか、万が一アリが長期的休職を余儀なくされた場合に、代わりの実務者をどうするか。あるいはムマジュマの育休中に医療スタッフをどう確保するか、現地での任務を遂行して行くためには、早めに目星をつけておかなくてはいけない懸案である。そういう意味ではせくな急ぐなで、時間をかけてやらなくてはならないだろう。まあ、ケニアのポレポレ気分だ。
これから日本に戻って、自分に出来ることを考える。まずはそれからだ。いろんな花火があったが、全ては明日に繋がる花火と思っている。
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第28回無料診療キャンプ報告(By宮城島) 2019年09月23日

 (イルファー釧路のブログからの転載です。)

成熟の先にあるもの、そしてモヨ(9月22日)

DSCN3710ニューフェイス達は、朝早くにナイロビ国立公園のサファリに出かけて行った。1人部屋に残って、昨夜の事を反芻してみる。
ケニアのキャンプをほぼ終え、開放感の中で盛り上がったパーティーの最後を締めたのは稲田先生の言葉だった。このキャンプの期間中、何度も2人で話し合ってきたこれからの事。ついにアナウンスする時が来た。20年を振り返り多くの協力者のおかげでここまで来られたことのへ感謝。HIV患者へ寄り添うことの熱意。プムワニ以上にHIV陽性率が高くまだまだ大変なところがケニアにもナイロビにもある現実。HIV陽性孤児が成長して医療者になることへのサポートの夢。そして今のキャンプを続けるには資金が足りないというこれも現実。夢と現実が錯綜する中で、彼の出した結論は、とりあえず20年続けて来たキャンプを一回延期して、次のプロジェクトを模索するということだった。それがベストの選択だと私も思っていたし、今後の継続性のあるHIV陽性者のサポートを続けるためにも、ターゲットをプムワニから、子供達に向けることが最も有効であり、協賛者の賛同を得やすいと思っていた。いよいよその結論が出た。大きな花火が打ち上がった。皆神妙に聞いてたし、言葉一つ一つに納得し頷いていた。私は恥ずかしいことになぜか涙を止められなかった。キャンプを一時中断せざるを得ないことが悲しいのではない。自分の関わった20年を頭の中で回想し、そして次の一歩を踏み出せたことに対する安堵と喜びの涙だったのかもしれない。
キャンプの終わった夜に見たナイロビの花火は、幻ではない。20年間の及ぶプムワニ医療キャンプに対する盛大な打ち上げセレモニーだったに違いない。
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午後は恒例行事となったモヨホームへ。ハイウエイを走り抜けること小一時間でティカの街についた。待ち受けていた松下照美さんの笑顔と男児およそ20人。お互いの自己紹介の後、持ち寄ったおもちゃで遊んだり、音楽に合わせて踊ったり。流石に男の子は元気だ。昨日は女児の孤児院でゆったりとした時間を過ごしたのと対照的な破天荒ぶり。でも、元気こそ将来のパワーだ。松下さんが80歳までの夢を語っていた。薬物依存の子供のリハビリを農業体験を通して行う農場を作ったのは昨年のことだったが、彼らを社会に送り出すシステムを作りたい。そのためにも薬物依存専門の医師の参加も求めて行きたいと。70を過ぎても10年後の夢を語れるすごさに感服したとともに、昨夜スタッフのみんなに、還暦を祝ってもらって悦に入っていた自分が恥ずかしくなった。
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稲田先生の夢、松下さんの夢、どちらも大きくて畏怖さえ覚える。
プムワニでの医療キャンプの来年は、次のステップへ移るための充電期間となりそうだが、モヨホームのますますの継続的進化にこれからも注目して行きたいと心から思う。
これで、今年のケニアは終わった。アサンテサーナ。
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第28回無料診療キャンプ報告(By宮城島) 2019年09月22日

 (イルファー釧路のブログからの転載です。)

ナイロビで花火、そしてヘキマへ(9月21日)

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鳥のさえずりで目を覚ます。昨日までの喧騒の中の外来が終わりホッとしているのと、何かやり足りなかったような気持ちが入り混じっているが、綺麗なそして日本では聞くことのできない鳥の声につかの間の安堵を感じ、そんな時間に身を任せているのが心地よい。
昨夜自炊パーテイーで盛り上がっている時のこと、突然外で、ドーンという音が連続的に鳴り響いた。まさかどこかでドンパチが始まったかと身を縮めながらベランダに出てみると、なんと街の中心部で大掛かりな花火が上がっていたのだった。ナイロビで花火!今まで19年もここに来ているが、一度も拝んだことのない花火。釧路の大漁どんぱく花火を見損ねてから始まったこの旅の中で、我々はいくつもの花火(事件)をくぐり抜けて来たが、この花火は正真正銘の花火だ。プムワニでのキャンプ終了を盛大に祝うかのようなスターマインに、何故だか目頭が熱くなった。
午前中は、ナイロビ中心街の公園で行われている、マサイマーケット(青空市場)にお土産の物色。イルファー釧路のバザーのためにも大袋を下げて覚悟して行動、しかし暑くて少々バテ気味ながらもなんとか終了。
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午後はナイロビから西へ車で1時間半ほどにある街にあるHekima Place(女児専用の孤児院)へ。昨年まではコトレンゴというHIV陽性者ばかりの孤児院を訪問し、メディカルチェックをしていたが、コトレンゴにあるHIV薬をヘキマの孤児院に供給していた縁から稲田先生が関わるようになった。コトレンゴのサポートは稲田先生とムワジマの定期的な訪問と検査によりかなり安定して来た感があり、今年の訪問はヘキマを選んだということだ。70人程度が寄宿しており、そのうち11人がHIVに感染している。陽性陰性を問わず、すべの子供達の口腔ケアと身体チェックが今回の我々の使命だ。
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迎えてくれたのは、ケイトさんという80歳になる温厚な、しかもとてもジョークが素敵な女性。彼女がここの創設者だった。ペンシルベニア出身で人生の半分をここに捧げている敬虔なクリスチャンだ。現在寄宿している孤児は乳飲子からclass8(中学生)だが、高校、大学まで支援しているのはすごい。孤児を預かるうちに、HIV陽性の子供にも関わるようになり、コトレンゴと繋がったわけだ。昼食をご馳走になった後、口腔チェックで虫歯の確認をし、問診と聴診による健康チェックをおよそ35人に行ったが、彼らが暮らしている環境に目を見張った。5エーカーの畑を持ち、多くの野菜を栽培し、かつ牛を飼育しミルクを採取する。鶏の飼育もしており、卵も自給自足だ。そして、爽やかな空気と穏やかな風。昨日までいたプムワニとは別世界がここにあった。
こんな環境の中で、愛の中で育った子供達は幸せなんだと思うし、これからも守ってあげたいと思う。コトレンゴにしろ、ヘキマにしろ、我々の支援のターゲットが少しずつ変わりつつあるのを感じた。
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第28回無料診療キャンプ報告(By宮城島) 2019年9月21日

  (イルファー釧路のブログからの転載です。)

頑張れムマジュマ、負けるなアリ(9月20日)

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昨日は、診療が終わって、ムマジュマにエコーのレクチャー。ソノグラフィスト(超音波検査専門技師)の資格を取るため、日々レポートに苦労しているとは聞いていた。実際のケースをモデルにしてのエコーを教えて欲しいということだった。もちろんできる限り応援するつもりだったが、本当の患者を連れてきたのにはビックリした。基本的なことは大学でのレクチャーで理解していたが、さすがに細かなことはまだまだ。見えるものと見えないものをしっかりと理解し、間接所見から読み取れる情報をいかに引き出すかもポイントの一つであると偉そうに説明しながら、プローブの当て方を伝授したが、もうじき臨月の妊婦なのに、その真剣な学びの態度にむしろこちらが気後れする雰囲気だった。でも絶対に合格して欲しい。プムワニの住民のためにも。
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アリの骨腫瘍生検結果が出た。形質細胞種だった。今後はそれが孤発性か、あるいは多発性骨髄腫の一病態なのかの鑑別が必要だが、とにかく放射線療法を急ぐ必要がある。今入院している病院でそれが出来るのか。どちらにしても治療を急がなくてはならない。病的骨折をしているのだからなおさらだ。居ても立ってもいられず、午前中の診療前にアリを見舞いに行った。ベッドに寝たきりで苦悩しているかと思いきや、笑顔で我々を迎えながら、痛くもないし大丈夫だよと言い放つ。トイレ行くにも担いで連れて行ってもらっているのにだ!この病院では血液の検査もしていない。骨折部位の牽引すらしていない。早くしかるべき病院に移すべきだが、果たして何処なんだそこは?別れ際の握手で、彼は「インシャーラ(神の思し召のままに)」と、言った。神頼みで諦めていいと言う問題ではないような気がするが、ケニアの医療の常識は一体、、、、放射線治療で治癒が期待できるからこそ、もどかしさと焦りと悲しさを感じながら、外来の喧騒の中に戻った。
5日目。スケジュール上は今日が最後のプムワニでの外来。
最近の大人の患者の症状を考察する。咳と痛み、腹痛、皮膚トラブルは主要症状には変わりないが、変形性膝関節症、高血圧、糖尿病、白内障など日本のどこでも見られるような慢性疾患が来るたびに増えてきているような気がする。そしてその症状も、クリニックが開設しているから行ってみるか的ななんとも必然性がなさそうなものが大半に見える。もちろん前出の髄膜炎のような急性疾患が運び込まれることもあるが、それはレアケースだ。かなり重症な化膿性疾患も五月雨式に現れるが、それも衛生状態がよろしくない環境ではありがちなことだから当然と受け止めている。だから一番求められる処方が、痛み止め、制酸剤、湿布、咳止め、種々の軟膏。20年前に初めて開設した時には、ここが命を守る砦のような気分だったのとは、かなり様相が変化して、日本の一般クリニックのような役割を担っているような錯覚に陥る。年に一回開催される当クリニックが住民に歓迎されつつも、現地のニーズは変わって来ていると理解しなくてはいけないと考えながら、黙々と患者をさばいて行く。
最後の2時間に怒涛のように患者が押しかけ、息もつく暇がなく時間がすぎて、突然のように患者が途絶えた。これで終わったのか?なんの感慨もないうちに疲弊して終了してしまった。
個人的に130人は新記録かもしれない。
成人378人、小児191人、歯科48人、鍼灸72人。みんなすごい数をこなしていた。お疲れ様、そしてありがとう。
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第28回無料診療キャンプ報告(By宮城島) 2019年9月20日

  (イルファー釧路のブログからの転載です。)

働く看護師さんそして松下さん(9月19日)

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朝6時きっかりに、玄関の呼び鈴がけたたましくなる。料理人アンソニーのおでました。釧路組の部屋がメインダイニングとして全員の食事部屋、飲み会部屋となっているので、朝食を作りに日参してくるのだ。いつも陽気な顔でやってくる。「ドクトリ!(ドクターのこと)お願いしたスマホはまだかい?みろ俺のスマホは写真を撮ってもボケてどうしようもないだろう」人懐っこく、会うたびに聞いてくる。どうやら、昨年日本でスマホを買って来て欲しい(もちろん金なんて出すつもりもないんだろうが)と私に頼んだらしい。買ってやるなどと一言も行った覚えはないのだが、それらしく捉えられるような曖昧な表現をしたのか、彼はしつこく覚えている。ものを貰うことに慣れているケニア人と話しているとこんなことは結構ある。とにかくいい加減な返答はしないことだと改めて思う。
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朝のミーティングで、看護部から毎日報告がある。今日のリーダーは誰、何かあったらまずそのリーダーに聞くようにと。そして誰々が歯科ブース、誰々が薬局、誰々がラボ、というように配属を明確にしてくれる。自主的に考えたルール。それが診療単位の隙間(ニッチ)に滑らかに効率よく入りこみキャンプの素晴らしい潤滑油となる。仕事は探してするものだ、という名言をまさに地で行く仕事ぶりで感嘆しかない。
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急性鬱滞性乳腺炎がきたんです。と飯島先生が興奮して話す。何に興奮したの思えば、看護師さんのとっさの処置。状況を聞きつけた産科経験のある柏谷さんが、現場で乳房マッサージを始め、たまった母乳を搾乳してくれた。彼女のカンガが濡れソボるような相当の排乳だったらしいが、それで患者の症状が著しく改善したんだと。興奮覚めやらぬ飯島先生の目は看護師へのリスペクトに他ならない。
午前の外来が佳境に入った頃、二組のビジターが来た。一組目は本来は火曜日に来るはずだったナイロビ市保健局の役人。我々の医療行為が適切なのか、研究目的ではないのか視察するらしい。ソシアルホールも市のもので我々が賃貸料を払って借り受けているのだ。今回は非常に好意的な笑顔でキャンプのレベルの高さを褒めて帰って行ったと稲田先生が言っていたが、やっぱりなにがしかの袖の下を用意した模様。我々がなぜここで医療行為を行なっているか、その歴史を理解してくれれば、喜んで場所を提供して活動を認可してくれるようなものだが、やっぱりケニアの行政はそんなもんだと半ば諦めの境地で外来に戻る。
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二組目の来訪は嬉しかった。モヨの松下照美さんが2人の日本人見学者を連れて陣中見舞いに来てくれたのだ。忙しい午前中であったけど、先の役人の視察と違い、一瞬で場を和ませてくれるオーラがそこにある。和やかに旧交を温め合い、日曜日のモヨでの再会を約束して爽やかに帰って行った。同志がそこにいた。
今日の実績。
成人374人、小児190人、鍼灸59人、歯科31人
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第28回無料診療キャンプ報告(By宮城島) 2019年9月19日

  (イルファー釧路のブログからの転載です。)

援軍現る(9月18日)

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堀越先生が、ナイジェリアでのWHOの活動(ポリオ撲滅のための予防接種推奨)の休暇を利用して、同僚の看護師さんを連れてわざわざケニアに来てくれた。久しぶりの再会に心が熱くなった(だから飲み過ぎた)。そして今日明日と我々のキャンプを手伝ってくれる。小児科ブースは少し余裕が出来るだろう。
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三日目、今のところみんなの体調は良好で、順調に外来がスタートした。診療の最後に、HIV検査を勧めるのだが、最近の傾向として、殆どの患者がすでにHIV検査を受けている。しかも年に何回もだ。試しにどのくらい検査するのかと聞いてみると、平均して一年に2~3回検査している。ルーチンに3ヶ月ごとに検査しているツワモノもいた。なぜそんなに検査するのだと聞くと、自分を守るためだと。何か違う。自分を守るには、それなりのセーファーセックスをするのが第一だろうと言っても、笑って聞きすごすだけ。行動変容もしないで、自分の安心のために検査を繰り返すのはやはり違うと思ったが、それ以上の議論にならなかった。そんな訳だから、検査フォームに昨年陰性と記載した患者が、今回陽性になっていることが実際ある。今日もそんなケースに出会った。
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午後、恒例のプムワニサバイバルスクールを訪問した。歓迎のダンスはいつも楽しい。歌の中で、イナダに続いてミヤギシマと言ってくれたようだが、ミヤシマとしか聞こえない。貧困の環境の中で生き残っていくには(だからサバイバルスクールなのだ)、勉強をすることであるという単純で明解なことを必死で実践している学校に通い続けて20年。もちろん我々の入れ込みも大きい。そんな子供達と束の間の交流はとても楽しい。彼らの未来は彼らが作り出す。それを少しでもサポート出来ればこの上もなく幸せだ。
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学校との交流があったものの、9時4時の診療とはいえ密度の濃い外来だった。個人的には今日も100人を超えた。
成人293人、小児135人、鍼灸45人、歯科は30人に達した。
昨夜は、自炊だったが、今夜はエチオピア料理を食べに行く。ONとOFF、日本でこそ必要なことだ。
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