第25回無料診療キャンプ報告(By宮城島) パッション(9月19日一般外来初日)

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今回のキャンプで小児科医として、時には鍼灸の助手としてサポートしてくれるクリニカルオフィサー(ケニアでは医師に準じた診療治療ができる医療職。基本的には現地では医師として活動する)のマジュマにストレートに聞いてみた。
What made you a clinical officer? (Why did you want to be a clinical officer? )
たった一言、笑顔で答えた。
Passion!
父親の突然の死を経験し、決して豊かではない家庭環境のなかで、生命を助けたいというpassionで一生懸命勉強して今がある。ケニアでキャリアアップを目指す人たちには共通するものがある。モチベーションが極めてシンプルなのだ。
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一般外来初日の今日、いつものソシアルホールは支柱とシーツでブースが区画されていた。懐かしい現地ボランティアの面々との再会の挨拶もそこそこに、10時きっかりにクリニックはスタートした。
私の通訳担当はモハメド26歳男性。医療キャンプに初めて参加したという。コンピュータを利用したプリント業と、DVD(おそらく海賊版)、サッカー選手のレプリカジャージ(これもまがいもだろう)などを売る商売をしているのだという。夢は?と聞いたら、コックになりたいと。今の生業はコックになるための資金稼ぎ?そんなところらしい。なぜこのキャンプに参加したのかと聞いてみた。
Passion!
申し合わせたようにマジュマと一緒だ!でもその笑顔に、一瞬さわやかな風が吹き抜けるのを感じた。
初めての先生たちのサポートをしながらも、それ以外は黙々とこなすのが初日の礼儀。ほかのブースを見学する暇もなく終わってみれば65人の患者を診療した。そのうちすでにHIV陽性であった人が5人。
その中の一人、36歳のやせ細った女性がいた。主訴は発熱と食べたら吐く。1997年にHIVが判明したと言う。ART(HIVの治療)を受けているのかと問うと、そうだと言うが、飲んでいる薬はセプトリム(ST合剤でカリニ肺炎の予防薬)だけだった。どうみても日和見感染を併発しており、直ちに治療介入が必要と思われた。イルファーのサポートに入ることを希望し、早速PIMAでCD4の測定。待つこと20分、結果は212だった。こんな資源の少ない医療施設のなかで迅速にCD4まで測定出来るのは驚嘆に値する。近々連携の病院に紹介して治療となるだろう。
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今年初めて導入した小児の成長評価。2歳までの子供の体重測定をして、3パーセントタイル以下の幼児に栄養指導を導入することにした。50人の計測でそれを下回ったのはたった3人。予想以上に成長障害は少なかった。その評価は、まだ下せないが、新しい試みはスムーズに移植された。土曜日に訪問するHIV陽性の孤児院の子供たちと比較することができればそれはまた今後を占う有意義なデータとなるだろう。
初日のデータは、受診者総数349人。そのうち、歯科抜歯は17人、頬粘膜の良性腫瘍切除1人。鍼灸は28人。上々の滑り出しだ。そしてHIV検査29人に対して陽性は6人。いつもより陽性率が高いが、内容の吟味はこれからだ。
そして今夜からベネット(仮名)の夕食のケータリングが始まった。乳がんの再発を克服するために頑張る彼女にみなから大きな拍手が上がった。
注) 本「第25回無料診療キャンプ報告(By宮城島)」は宮城島団長が、ご自身のブログ(イルファー釧路 代表徒然草http://blog.livedoor.jp/ilfar946/)に投稿されており、宮城島さんのご了解を得て転載させて頂いています。
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